矯正中にホワイトニングが勧められない理由は?併用可能な方法を紹介

「矯正中にホワイトニングをすることはできない」
と言われています。
実際には矯正中でもホワイトニングが絶対に不可能ではなく、同時進行で行っている患者さんもいます。
歯並びの悪さと、歯の色の悪さに悩む患者さんは大勢いるので、一気に2つの問題を片付けようと考えている方もいらっしゃるでしょう。

ただ、色々な観点からあまりおすすめすることはできないです。
今回は、矯正中のホワイトニングを避けた方が良いとされる理由をお伝えします。

  • 矯正中のときにもホワイトニング効果は得られる?
  • 他のトラブルが生まれやすいの?
  • まだ両方始めてないけれど、どっちから先にするべき?

これらの疑問を解決していきます。ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてください。

矯正中は十分なホワイトニング効果を得にくい

矯正が終わり歯並びが完璧な状態になるまで、歯にワイヤーやブリッジなどの装置を取り付ける必要があります。装置がついているところはホワイトニング剤を浸透させることができないので、装置を外した時、色ムラができてしまいます。

ホワイトニングは矯正装置の他、銀歯や被せもの、詰め物をしているところも白くしにくいので、効果を十分に得るためにも矯正が終わってからホワイトニングのメニューを始めた方が得策です。
もし顔を美白する場合でも、あちこちに絆創膏を貼っている状態で行うと、白いところと元の色の部分がまばらになってしまいます。
白い部分があることで、逆に元々の色のくすみが際立ってしまう恐れもあります。

矯正装置を装着したままでホワイトニングを行うことで、かえって見た目が変な状態になってしまうと無駄な投資になるので、よほど急がなければならない事情がない限り矯正治療を優先しましょう。
矯正はとにかく時間がかかるので、はやく取り組む必要があります。先にホワイトニングをいても矯正装置で白さは隠されてしまいますし、矯正中は歯が汚れやすくメンテナンスもしにくいため、せっかく施術した意味がなくなる可能性大です。
虫歯や歯周病は年齢を重ねると発症率が高くなり、40代以降はいつ発症してもおかしくない状態です。大人の矯正もブームになっていますが、虫歯になるリスクは常に隣り合わせと覚悟して下さい。

矯正中は虫歯や歯周病になりやすい

矯正中ホワイトニングは避けた方が良い、とされるのは虫歯や歯周病の問題も絡んでいます。
実は、虫歯や歯周病があるとホワイトニングの効果が思うように出ない可能性があります。
そのため、本格的なホワイトニング治療を行う前に虫歯などの問題を直しておかなければなりません。
虫歯などがある状態でホワイトニングを行うことで、知覚過敏など新たな問題が生じる恐れもあります。

知覚過敏になると冷たい食べ物や飲み物を口にする度、たとえようもないほど不快な思いをする事態に陥ります。
矯正中は24時間装置をはめっぱなしにする状態が長く続くため、どうしてもワイヤーの間などに食べ物のカスが詰まりやすく、虫歯や歯周病になる確率が上昇します。
矯正治療を行っている患者さんは定期的にフッ素ケアを行うよう勧められますが、装置を装着している間に歯の病気になると治すのも大変です。

毎日歯を磨き、定期的にフッ素ケアをしても虫歯菌、歯周病菌に狙われる可能性はあるので、矯正治療中にホワイトニングを行うのはとてもリスクが高い行為です。ア
ラサー、アラフォー世代ほど虫歯リスクを考慮しホワイトニング治療を受けるタイミングは慎重に決めなければなりません。
歯並びの矯正治療にホワイトニング、さらに虫歯や歯周病の治療となると、スケジュールを組むだけでも一苦労です。

銀歯がある部分など治療後の状態によっては、ホワイトニング施術が向いていないと判断されることがあります。矯正装置をつけて歯を磨くのは本当に大変で、毎日隅々まで磨いているつもりでも盲点はたくさんあります。
虫歯や歯周病になると歯を失う可能性もあるので、場合によってはホワイトニングよりもインプラントなど他のアプローチが必要になるかも知れません。

また、フッ素コーティングをしている歯はホワイトニング薬剤で染まりにくいので、フッ素ケアが欠かせない矯正中のホワイトニングは微妙です。
ホワイトニング後のフッ素はOKなので、矯正とホワイトニング治療が終わったあと、あらためてフッ素コーティングを行うのが理想的です。

矯正中はホワイトニング剤がしみやすい

歯にワイヤーやブリッジを装着する矯正治療の真っ最中、歯茎が傷つくことも多く口の中全体がデリケートな状態になります。
ホワイトニング薬剤を塗布した時、通常よりもしみやすくなっているため、治療中の不快感が増すことも「矯正中のホワイトニングは避けたほうが良い」とされる理由の1つです。

ホワイトニングの種類にもよりますが、本格的に歯を白くする場合、矯正と同じように何回か通院することになります。
歯のコンディションによっては白くなりにくいこともあるので、施術してもトーンアップのレベルが低ければ再度通院し、理想の白さになるまでアプローチしなければなりません。
何度も通うのに毎回薬剤がしみて不愉快な思いをする事態は好ましくありません。少しでも快適な施術時間を過ごすためにも、ホワイトニングは矯正治療完了後に行いましょう。

矯正中は動きを制限された歯を動かす時の痛みに加え、矯正装置によって口の中が傷つく時の痛みに耐えなくてはなりません。
治療が終わるまで無傷で過ごす患者さんは皆無と言っても過言ではないほど、常に口腔内との傷、腫れ、炎症との戦いです。
ホワイトニング薬剤は口の中で使うものなので人体に無害なものが選ばれていますが、デリケートな粘膜部分に薬剤がしみこんでしまうのはあまり愉快なものではありません。

2つの治療のスケジュール管理が大変

矯正治療とホワイトニング治療を同時に行うと問題点が色々浮上しますが、そういった問題点が気にならないということであれば同時進行で施術することも可能です。
ただ、別々の医療機関に通う場合、スケジュール管理が大変になります。歯科医院の治療は状態を見ながらスケジュールを組むので、実際に先生に診て貰わないことには次の予定が決まりません。

矯正治療では歯を抜歯することもあるので、当日や翌日流血が止まらない状態でホワイトイング施術を受けるのも厳しくなります。
もしどうしても矯正とホワイトニングを同時に行いたい場合、同じ歯医者さんで行うようにしましょう。
最近は矯正中でもできるホワイトニングメニューも登場しています。
ワイヤーなどの装置を装着するスタンダードな矯正治療だとホワイトニングは不向きですが、透明なマウスピースを使用して歯並びを治すインビザラインなら、治療完了を待たずにホワイトニング治療を受けることが可能です。

歯列矯正治療とホワイトニング治療の同時進行だと、せっかくホワイトニング治療を受けても効果を最大限引き出すことが難しくなり、無駄な投資になることもあります。
薬剤がしみやすくなること、色むらができやすいこ、とも問題点の1つです。
虫歯や歯周病があるとホワイトニング施術はできませんが、矯正中は歯が病気になりやすいので、フッ素ケアなどを行いながら矯正と虫歯対策に専念した方が賢明です。フッ素コーディングをしているとホワイトニング剤が歯に浸透しにくくなる点も見逃せないポイントです。