以前は、ホワイトニングといえば芸能人の方などが行うものというイメージがありましたよね。
最近では、マスメディア等で幅広く取り上げられるようになった結果、一般の人もホワイトニングをするようになりました。
ただ、入れ歯で生活している方にとっては、
「入れ歯でもホワイトニングができるの?」
と気になっているのではないでしょうか?
そこで、今回は、入れ歯の方のホワイトニングについて調べてきました。
- ホワイトニングの仕組
- 自前の歯以外でもホワイトニングはできるの?
- 入れ歯の着色の原因って何?
- 黄ばみがでないようなお手入れ方法はある?
これらの不安や疑問を解消します!
ぜひ最後までお読みください。
ホワイトニングとは?
ホワイトニングとは通常の歯磨きやクリーニングでは落とし切れない歯の着色汚れを落として歯を白くするというものです。
使用する薬剤は安全で歯を削る必要もありません。
ホワイトニングによって歯が白くなる仕組みですが、ホワイトニング剤の成分として含まれている過酸化尿素や過酸化水素には着色汚れを無色透明に分解する働きがあります。
また歯の表面のみならず、歯の中に含まれる色素も分解して本来の歯の色自体も白くするブリーチング効果も期待出来ます。
例えば加齢とともに変色する歯にはこのブリーチング効果と、過酸化水素によってエナメル質表層の構造を角状から球状へと変化させ、光の乱反射で白く見せるマスキング効果によって白くなります。
最近はホワイトニングの方法も増えてきており、歯科医の支持の元で行うホームホワイトニングやオフィスホワイトニング、歯医者以外で受けられるセルフホワイトニングがあります。
それぞれメリットやデメリットはあり、例えばホームホワイトニングは自宅で出来て費用も安い反面、毎日2時間ほどマウスピースを装着しなければいけない事や効果が実感できるまで2~4週かかるというデメリットがあります。
一方のオフィスホワイトニングは事前にクリーニングをして貰える・1回でも効果が実感できる・医師による施術で安心感がある等のメリットがありますが、費用が高く薬品の濃度が高いため歯がしみる場合があります。
どちらも歯を白くする事は確実で、2つの方法を上手に組み合わせながら併用する人もいます。
入れ歯が着色される原因は?
自前の歯が着色される原因としては、加齢に伴ってエナメル質が消耗され薄くなる、コーヒーやお茶などに含まれるステイン、虫歯が進行して歯の神経が死ぬ、抗生物質などが挙げられます。
一方、人工に作られた入れ歯なら汚れないか?というと、そういった訳でもありません。
入れ歯でも食事の際には食べ物を噛む行為を行うため、当然ながら食べ物のカスが付着するようになります。多くの人がこの食べカスによって入れ歯が汚れると考えがちですが、実は食べカスは水で洗い流せばすぐに落とせます。
入れ歯の汚れはもっと複雑で、汚れは入れ歯の構造が問題となっています。
入れ歯の床と人工歯の材料にはレジンが使われていますが、レジンには目で確認できないほどの小さな穴が開いており、水分を引き込む時に食べ物や茶渋に含まれる色素も一緒に引き込んでしまうのです。
つまりこれらが入れ歯の着色汚れの原因となるのですが、本来の歯に付着するプラークよりも、入れ歯に付着するデンチャープラークの方が、より強固な力で取れにくくなっています。
ちなみに入れ歯に汚れがついたままの状態になると、見た目が悪いだけの問題では済みません。
デンチャープラークを構成する細菌の種類がどんどん増えていき、同時に病原性も増やしていく事になります。
例えばカンジダ菌は入れ歯に付着しやすい性質を持っており、粘膜が炎症を起こす事で痛みを感じるようになったり、顎の骨が吸収するのを早める原因にもなるため注意が必要なのです。
汚れた入れ歯はホワイトニング可能?
汚れが目立つ歯も一気に輝きを取り戻せるとあってホワイトニングの人気も急上昇です。入れ歯も時間の経過と共に汚れが目立つようになるので、ホワイトニングで綺麗にできれば非常に便利です。
ただしホワイトニングは誰もが受けられるという訳ではありません。
妊娠中や授乳中の女性、ホワイトニング剤にアレルギー反応を示す人は不可能で、歯周病やむし歯がある場合も効果が出なかったり、知覚過敏の原因となります。
そして汚れた入れ歯をホワイトニングで綺麗になるか?という点ですが、結論から述べると入れ歯はホワイトニング効果はあまり見られません。
表面の汚れを落とす事は出来ますが、通常のように真っ白な状態に戻す事は出来ないのです。
そもそもホワイトニングの薬剤は、神経のある健康な歯にのみ効果があり、入れ歯のようなプラスチックやセラミックで作られた人工歯にはホワイトニング効果が無いとされています。
また仮に自分の歯であっても神経がない失活歯に関しても通常のホワイトニングは効果が見られず、ウォーキングブリーチという歯の裏から穴をあけて薬剤を注入し白くするという方法が行われます。
もし一部だけ部分入れ歯で他は自前の歯である場合は、入れ歯の部分だけを除いてホワイトニングをし、部分入れ歯は新しく作り変えるという方法を選択します。
総入れ歯の場合は全く効果が無いと思った方が賢明で、汚れが気になるのであれば入れ歯自体を作り直す、または普段から適切なお手入れをして汚れが付着する事を防ぐしかありません。
入れ歯の正しいお手入れ方法
入れ歯の洗浄は水で流すだけでは不十分です。自前の歯と同様に歯と歯の隙間や歯と歯茎の間は汚れやすくなるのでしっかりと磨き上げる必要があります。また総入れ歯の場合は上顎や下顎にあたる義歯床の内側が、部分入れ歯であればクラスプ部分が特に要注意となります。
そして通常の歯ブラシではなく入れ歯専用の歯ブラシを使うようにします。入れ歯は複雑な構造をしていますが、専用ブラシなら隅々まで磨けるため、磨き残しのリスクも減らす事が出来るのです。
手順はまず、すすぎ洗いをして入れ歯に付着した食べカスや歯垢を洗い流し、ある程度の汚れが落ちた後に専用ブラシで隅々まで磨きます。少しでも汚れがついていると、入れ歯にヌルヌルとした感覚が残っているため、このヌルヌルが無くなるまで磨く事がポイントです。
また柔らかい部分はスポンジやガーゼを使って汚れを落としていきます。
最後の仕上げは入れ歯洗浄剤で、入れ歯洗浄剤は洗浄や殺菌、消臭、歯石予防など様々な効能を持っています。説明書の指示に従って入れ歯を浸け、洗浄剤から出した後は浮き上がった汚れを落とすために念入りに磨き、洗浄剤の成分も残らないように気をつけます。
入れ歯はそのままの状態で放置すると乾燥やひび割れを引き起こす原因となるため、水に浸した状態で保管するようにします。
清潔に安全に入れ歯を使用するためにも、保管容器の水は毎日交換する事と入れ歯洗浄剤を利用する事が基本です。
なお入れ歯が変形する恐れがあるため、煮沸したお湯に浸すのはNGです。
汚れた歯を白くするために誰もがホワイトニングを活用出来るのが理想ですが、入れ歯は本来の歯とは質が異なるため、汚れが目立ってもホワイトニングで白くする事は出来ません。
入れ歯なら虫歯が出来ないからと、お手入れを疎かにしていると汚れがどんどん付着し、まず見た目の清潔さが失われます。
また強力に付着したプラークが菌を増殖させる原因にもなるので、体の健康を守る意味でも、正しい方法でケアする必要があるのです。
入れ歯を作るにはそれなりに費用もかかりますが、毎日のケアを怠らず丁寧に扱う事で一生モノにも成り得ます。