子供のホワイトニングに年齢制限はある?歯が黄ばむ原因と対策も解説

初めて生えてきた子供の歯は白く繊細で透明感があり、とても愛らしいですよね。
ですが、成長とともに、お子さんの歯がだんだん黄ばんできてしまえば、心配になる方も多いかもしれません。

とはいっても歯の色が変わっていたら虫歯なのか、それとも何らかの病気のサインなのかわからず、気になるところです。
また中高生位にもなれば歯の色で悩みを持ち、ホワイトニングを希望する場合も想定されます。
そこで今回は子供の歯が黄ばむ原因や白さを保つためのケアや、ホワイトニングの可能性などについて解説していきます。

子供の歯が黄ばむ原因は何か

生まれてきたばかりの歯を見れば白い外観をしているので、歯の色は本来から白いものと考えている親御さんも多いでしょうが、正確には違っています。
歯は表面のエナメル質とその下の象牙質、そして神経などが骨に繋がっている歯髄から形成されています。

エナメル質と象牙質の違い

一番表面のエナメル質は白い色合いを持っていますが、その下の象牙質は実は黄ばんだ色を持っています。
子供ではエナメル質が未熟で形成途中で薄いので、象牙質の色が透けてしまって黄ばんで見える場合もあります。
特に象牙質が生まれつき黄色みが強い場合には、子供の歯といっても黄ばんで見えることがあります。
このような体質的な黄ばんだ色合いの歯が生えていても特に問題にはなりません。

歯石汚れや着色汚れ

しかし何らかの問題を抱えている場合には、原因に応じたケアを実践することが必要になります。
そこで普段の生活シーンでよく観察される歯が黄ばむ原因を検討して参りましょう。

一番多いのは歯垢が付着して、黄ばんで見える場合です。
正しい歯磨き習慣を持っていないと、十分食べ物カスなどがとりきれず歯垢が歯の表面を覆ってしまっていることがあります。
放置すると歯石になり、自宅での除去は困難になります。

また歯の表面に着色汚れが付着して目立つ場合もあります。
着色汚れと聞くと、コーヒーやワインなど大人の嗜好品に関係していると考えがちですが、実は子供が口にする食品でも問題になりえます。
トマトケチャップやチョコレートやカレーなど子供の好物でも色合いの強いメニューは数多く存在します。

子供の歯の黄ばみは病気のサインの可能性も

子供の歯の黄ばんでいるのが歯垢や着色汚れなら、家庭での歯磨きの際に親御さんが、磨き残しがないのかをチェックすることでもケアすることが可能です。
しかし、何らかの疾病が原因となっている場合には、医療機関で適切な処置を請けることが必要になります。
そこで病気の兆候になる歯の黄ばみ原因を抑えておきましょう。
典型的なのは虫歯が発生している事例です。
虫歯と聞くと黒味を帯びていたり、穴が開いているイメージが強いですが、病巣が黄ばんで見える場合もあります。

部分的に黄ばんでいたり、まだら模様に見えるときは虫歯を疑う必要があります。
特に形成途中にある子供では虫歯の進行も早くなります。
そもそも歯医者は何歳くらいから診てもらうのか疑問をお持ちの親御さんもいらっしゃいますが、一般的には歯が生えていたら1歳未満でもみてくれます。
心配であれば小児歯科を診療科目に標榜しているクリニックを選べば良いでしょう。

また子供特有の原因として注意するべきなのは、エナメル形成不全です。
歯の一番表面にあるエナメル質が何らかの原因で十分発達できない状況になっているものです。
先天的なものでは妊娠中の栄養不足、後天的には栄養障害や外傷、虫歯などが原因となります。
そのままでは虫歯の悪化などに繋がるので歯科医での治療が必要な状態です。
歯の外見が薄く貧弱な印象の時には歯科医を受診してしかるべきケアを受けることが必要です。

ところで子供の歯の変色に特有なものにテトラサイクリン系抗生物質の長期間連用があります。
ホワイトニングでも改善が難しいので、8歳未満の子供では抗生物質投与の際には慎重な姿勢が求められます。

子供でもホワイトニングを行うことは可能か

子供の歯が黄ばんでいる状況では、先ほど御紹介したように歯科医での適切なケアが優先するべき場合があるので、そのような事態を見逃さないようにするのが先決です。
健康上の問題が特に無い場合には、ホワイトニングで歯を白くする方法も有力な選択肢になるといえます。
しかし個々で問題になるのは、そもそも子供にもホワイトニングを行うことは可能なのか、と言う点です。

子供と大人で違いがあるのは、子供が生え変わる前の乳歯が多いのに対して、大人では永久歯に生え変わっており、象牙質も発達しているので堅牢な特徴を持っています。
歯は白いほうが好印象であるので、子供自信もホワイトニングを希望する場合もあるでしょう。
しかし大人とは違った口内環境を抱えているのも事実です。
この違いをどのように考えるべきなのでしょうか。

現時点ではホワイトニングに明確な年齢制限が設けているわけではありません。
しかし実際のクリニックでの対応をみると乳歯の場合は対応しない、と言うクリニックが一般的なようです。
永久歯なら問題視しないクリニックでは14歳程度以上の歯の生え代わりが完了した場合にはホワイトニングを実施する場合もあれば、安全策をとって18歳以上を年齢の加減にしているクリニックもあるようです。

一口に「子供」といっても、1歳前後の歯のようやく生えそろった場合から、大人と殆どおなじのティーンエイジャーまで幅があります。
大人が請けるのと同様の方法では、歯にダメージを与える可能性もあるのでホワイトニングだけでなく、他のケアの方法で歯を白くする方法を検討したほうが賢明な場合もあります。

ホワイトニングで歯が白くなる仕組み

歯が生え変わり、エナメル質も充分発達した中高生以上の年齢になれば、ホワイトニングを取扱っている歯科クリニックもあるようです。
しかしそのメカニズムの基礎知識も持たないことには、請けべきなのかの判断も難しいでしょう。
そこでホワイトニングの仕組みをご紹介します。

歯の表面には色々な着色汚れが付着しており、それが時間経過にともなって「ステイン」などの色素沈着をもたらしていることがあります。これが黄ばんだ歯の典型的な状態です。
色素汚れが葉の表面の化学物質と反応してステインが形成されるわけです。

また歯の象牙質の色が表面から透けて見えている場合もあります。
葉の表面はエナメル質なので白く見えますが、その下の象牙質は黄色い色合いをもっています。
咀嚼や華麗によってエナメル質が磨り減ると、象牙質をカバーするものがなくなるので、黄色身が強く出てくる場合もあるのです。
ホワイトニングでは過酸化尿素や過酸化水素などの漂白成分を配合した薬液を使用して、ステインなどを漂白します。
過酸化尿素などには着色汚れやステインを無色化するだけでなく、歯の中に含まれる色素も分解する作用を持っているので相乗効果でより一層、歯を白くすることができる訳です。

ところでホワイトニングには、クリニックで数回程度で治療が完了するオフィスホワイトニングと、専用のマウスピースをかたどって毎日5-8時間程度、作用の弱い薬剤をぬってマウスピースを装着するホームホワイトニングの2つの方法が用意されています。

それぞれにメリットとデメリットがあるので、どの方法を選択するべきかは、主治医と良く相談することが大切です。
歯は本来白いもので子供なら、白いのが当然と考えがちですが、子供でも歯が黄ばんでしまうことがあります。
生まれついての場合もありますが、多くの場合歯垢が付着していたり、虫歯の病巣が変色をきたしている原因になっている場合もあります。

さらに子供では「エナメル形成不全」の場合も想定されます。
このような歯の変色に原因がある場合には原因疾患の治療が優先されます。
しかし子供の食事でもステインの原因になるものは数多いので、ホワイトニングの対象にもなりえます。
ホワイトニングには特に年齢制限は設けられていませんが、永久歯に生え変わるくらいの年齢や状態が一つの目安になるようです。